物流の「2024年問題」は終わっていない
― 運送事業者が今こそ知っておくべき法改正と備え ―
「2024年問題、結局どうなった?」と感じていませんか
運送業を営んでいると、
以前ほど「物流の2024年問題」という言葉を耳にしなくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
2024年4月。
トラックドライバーの時間外労働の上限規制が始まり、
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モノが運べなくなる
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物流が止まる
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生活に深刻な影響が出る
そんな強い危機感が社会全体を包みました。
ところが現実はどうでしょう。
コンビニの商品は普通に並び、
ネット通販も大きな混乱なく届いている。
そのため
「結局、騒ぎすぎだったのでは?」
そんな空気が広がっているのも事実です。
ですが、私はこの見方に強い違和感を持っています。
結論から言えば、
物流の問題は“回避された”のではなく、“先送りされた”だけ だからです。
なぜ2024年に大混乱が起きなかったのか
ここを正しく理解しないと、
これからの判断を誤ります。
① そもそも運ぶモノが減っていた
2024年問題の議論は、
コロナ前(2019年)の輸送量を前提にした試算でした。
しかし現実には、
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国内貨物の総量は減少
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特に長距離輸送・大量輸送が縮小
結果として、
「足りなくなるはずだった輸送力」が
需要減によって相殺された のです。
これは運送業者の努力というより、
経済構造の変化 によるものです。
② 業界全体で“無理のあるやり方”を修正した
この数年で、物流現場は確実に変わりました。
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共同輸送
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中継輸送
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配送リードタイムの見直し
「これまで当たり前だった非効率」を
現場レベルで少しずつ是正してきた結果です。
正直に言えば、
これまでが無理をしすぎていた のです。
③ 過剰な便利さを“社会全体で手放し始めた”
とても重要なのが、この変化です。
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賞味期限が短めの商品が店頭に並ぶ
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コンビニ配送回数が減る
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EC配送が有料化・日数延長される
代表例として、
Amazon の送料無料条件引き上げなども象徴的でしょう。
一時は反発が予想されましたが、
結果的に社会はこれを受け入れました。
つまり、
「多少の不便より、持続可能性を優先する」
そんな価値観が、静かに浸透し始めているのです。
すでに始まっている“次の段階”
表面上は平穏でも、
実は物流の現場では次のフェーズに入っています。
置き配の事実上の標準化
宅配便の約款改正により、
置き配が正式な配送方法として位置づけられました。
利便性の裏で、
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盗難リスク
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誤配・破損時の責任
といった不安が増しているのも事実です。
オートロック解錠の仕組みへの補助
配達効率を上げるため、
配達員がスマホでオートロックを解除できる仕組みも進んでいます。
これは
「再配達を減らすためには、社会的な痛みもやむを得ない」
という明確なメッセージでもあります。
本当の転換点は「2026年」
そして、ここからが本題です。
物流関連法改正が本格施行
2026年以降、
物流に関する法律は “お願いベース”から“義務”へ と変わります。
荷主側に課される責任
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一定規模以上の荷主に 物流統括管理者(CLO) の設置義務
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すべての企業に物流効率化への取り組み義務
つまり、
「運送会社が何とかする時代」は終わる
ということです。
不公正取引への本気の是正
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荷待ち時間
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荷役作業
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附帯業務
これらを
“タダでやらせる慣行”は、明確にNG になります。
真面目にやってきた運送事業者ほど、
ここから評価される仕組みが整いつつあります。
今から運送事業者が備えるべきこと
カズさんが関わっておられる運送事業者さんにも、
ぜひ伝えていただきたいポイントです。
① 適正運賃を「説明できる」準備
これからは
「安いから使う」ではなく
「根拠がある運賃か」が問われます。
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原価構造の見える化
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交渉記録の保存
これは防衛であり、武器でもあります。
② 法令遵守は“やっているつもり”では足りない
今後、
トラック運送業は 更新制 へと移行します。
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労務
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安全
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財務
すべてがチェック対象です。
③ 契約書が会社を守る時代へ
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書面契約
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附帯作業の明示
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荷待ち時間の記録
「言った・言わない」ではなく
書いてあるかどうか がすべてになります。
④ 人が集まる会社だけが生き残る
これからの競争力は
車両台数でも営業力でもなく、
「ここで働きたいかどうか」
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労働時間
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賃金
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将来像
ここを本気で考えた会社が選ばれます。
⑤ 専門家を“外部顧問”として使う
法改正のスピードは、
現場だけで追えるレベルを超えています。
行政書士・社労士など、
物流を理解している専門家との連携 は、
コストではなく投資です。
まとめ|2024年問題は「序章」にすぎない
物流の問題は、
終わったのではありません。
これからが本番です。
ただしこれは、
真面目にやってきた運送事業者にとって
「希望のある本番」でもあります。
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適正な対価
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正当な評価
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持続可能な経営
その土台が、ようやく整い始めました。
準備するか、流されるか。
2026年は、その分岐点になります。
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