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2000年代初頭の規制緩和から20年。あの時、運送業界は「自由化」という名のもとに大きく舵を切られましたが、結果的に残ったのは、疲弊した現場と崩壊寸前の収益構造。低賃金・長時間労働が常態化し、人手不足は深刻。倒産件数はリーマンショック級。
私は行政書士として、また中小企業支援の現場に立つ者として、この危機を制度面からどう立て直すか、現実的な視点で提言します。
トラックドライバーの有効求人倍率は全職種平均の約2倍。それでも若い人が来ないのは当然です。年収は全産業平均を5〜15%下回り、年間400時間を超える長時間労働が当たり前。
業界の約45%は40〜54歳。29歳以下はわずか1割。今のままでは「走る人がいない」という状況が、数年内に現実化します。
2023年度の売上は前年比6%増。しかし、営業利益率はわずか0.6%。車両10台以下の業者に至ってはマイナス0.7%。
これは経営努力だけではどうにもならない、「構造上の赤字体質」です。特に小規模業者にとって、今の制度はあまりに厳しすぎます。
2000年代、小泉政権下での規制緩和により、営業区域制の撤廃・車両台数の緩和・運賃の事後届出制の導入が実施されました。
狙いは競争の促進だったはずが、現実には“過密・過少・過当”な物流環境が生まれ、価格競争が運賃を崩壊させました。今、制度を見直すタイミングです。
表面上は数字が上向いていても、実態は補助金や助成金に支えられた一時的なもの。
賃上げ率は1〜3%とわずかで、生活の質は上がらない。これでは人手不足も、現場の疲弊も改善されません。
「トラック・物流Gメン」への情報提供率は13.1%。
「どうせ変わらない」「言っても無駄」──この空気が、制度の改善をさらに遅らせています。
声を届けなければ、仕組みは変わらない。現場の声を、今こそ可視化すべきです。
必要なのは、標準的運賃の遵守を本気で徹底させること。そして、無秩序な参入を防ぐ制度設計の見直しです。
今のままでは、誠実にやっている事業者ほど損をする構図。これは、市場の健全性に反します。
運送業の問題は「努力不足」ではありません。「制度の歪み」が根本原因です。
長時間労働、低賃金、安全軽視──これらは過度な自由化の副作用。
今こそ、規制緩和を検証し直し、現場を支える制度を真剣に議論すべきときです。
私は行政手続きを扱う立場として、「制度がどれだけ現場を左右するか」を痛感しています。
だからこそ、制度の壁に苦しむ中小企業やドライバーの声を拾い、仕組みから変えていきたい。
物流は社会の血流です。持続可能な業界に向けて、共に現実的な一歩を積み上げていきましょう。